窓ガラスの種類について
型板ガラスとは
型板ガラスは表面に凹凸があり、光を拡散することで向こう側が見えなくなっているガラスです。この凹凸は片面だけで、反対側は平らなガラスになっています。
凹凸は室内側にあることが多く、凹凸の面に通常の窓フィルムを施工する事はできません。その為、型板ガラス専用の窓フィルムもしくは外貼りが可能な窓フィルムを施工します。
すりガラスとは
すりガラスは表面がザラザラしていて、光を乱反射させることで不透明になっているガラスです。
尚、このガラスの加工面(ザラザラの面)に水をかけると、屈折面が平らになり、その部分は透けます。フィルム施工を行うと、そのノリでも同様に透けてしまいますので、加工面には通常の窓フィルムの施工は行いません。こちらもすりガラス専用の窓フィルムもしくは外貼りが可能な窓フィルムを施工します。
網入りガラスとは
網入りガラスは、ガラス内にスチール線が入っているガラスです。
主に火災時のガラスはじけ割れや延焼防止の目的で使用されています。このスチール線が入っている事で、強度が弱く、通常のガラスに比べて6割程度の強度です。その為、日射吸収率の高い遮熱フィルムを施工すると熱割れが発生する可能性があり、ご検討の際には必ず熱割れ試算を実施した上での施工となります。
また、この網入りガラスはよく『防犯対策』として有効とお考えの方が大変多くいらっしゃいます。私もその1人でした。
しかし、このスチール線を破るのもそれほど大変でなく、実は防犯機能はゼロ、むしろ狙われやすい窓の1つでもあるのです。
強化ガラスとは
強化ガラスは、通常のガラスに熱処理と冷却等を行い強度を高めたガラスです。
通常のフロートガラスと比べると3.5~4倍の耐圧強度を持ちます。割れると細かい粒状になるので、安全性は比較的高いとされています。ガラスドア、テーブルトップ、店舗のディスプレイ用窓、棚板等に使用されています。
ただしこの強化ガラスは防犯機能としてはほぼゼロです。実は意外と簡単に割れてしまい、破片も細かくなるので、空き巣にとっても狙いやすい窓であるといえます。
合わせガラスとは
合わせガラスは、2枚以上のガラスで特殊被膜と呼ばれる中間膜をはさんでいて、強度が高いガラスです。
この中間膜の存在により、紫外線カットの効果や貫通対策、飛散も少なく、災害や防犯に効果があります。
合わせガラスはこのように安全性や強度の面で高い評価である一方で、遮熱、断熱対策という点では通常の1枚のガラス同様に、効果はありません。また2枚のガラス+特殊な中間膜を使用していますので、その分価格的には高めとなります。
熱線吸収ガラスとは
熱線吸収ガラスは、日射の吸収特性に優れたガラスです。コバルトやニッケルといった日射吸収に優れた原材料を使用しており、日射を30~40%吸収でき、夏の省エネ効果も高いのが特徴です。また、この熱線吸収ガラスは高層ビルや公共施設、オフィスビルによく使われており、色は黒、グレー、ブロンズ、緑等の色がついています。
また、熱吸収の特性により、熱割れは起こり易いガラスです。また太陽光を遮断するので暗くなりがちで費用も高い為、住宅にはあまり使用されていません。
熱線反射ガラスとは
熱線反射ガラスは、ガラスの表面に金属酸化物を焼き付けている事で、太陽光を反射するガラスです。
熱線反射ガラスは太陽光を反射し、室内温度の上昇をおさえ、冷房代の削減につながります。また、表面反射によりそのデザイン性の良さやプライバシーの保護という点においてもメリットはあります。
上記の熱線吸収ガラスとの違いとしては、熱を吸収せずに反射するので、熱割れは熱線吸収ガラスよりはマシともいえます。
またこの熱線反射ガラスを設置する際は、光が反射する事を考えないと反射先によってはクレームにも発展します。
Low-E複層ガラスとは
Low-E複層ガラスは、意味としては『Low emissivity=低放射』という意味で、放射を低くするガラスです。
ガラス表面にLow-E膜という特殊な金属膜がコーティングされ、太陽の熱や室内の熱を吸収・反射します。それにより、夏の温度上昇をおさえ、冬の暖房効率を良くしてくれるガラスです。
尚、Low-Eガラスは、遮熱タイプと断熱タイプに分かれ、夏場の暑さをしのぐには遮熱タイプ、冬場の寒さ対策を重視するなら断熱タイプを選択する形となります。