熱還流率とは
窓ガラスフィルムに限らず、ご自宅の断熱性能を表すものとして、“熱還流率”という指標があります。
これで何を表しているかを簡単にいうと、1㎡あたり、1時間でどれぐらいの熱が通っているかという数値になります。
数字が低い = 熱を逃がさないという意味になりますので、
数字が低い = 断熱性能が高い となります。
さらに窓においての熱還流率は『結露』しやすいかどうかにも関わってきます。
単位としてはW/㎡・Kで、読み方は「ワットパー平方メートルケルビン」と読みます。U値とも呼ばれます。計算式は難しいので是非専門的に書いているWebサイト等を参考にして頂ければと思います。
数字だけを見てもよくわからないかと思いますので家の中の各場所でどれぐらいの数値なのか集めてみました。
身近にあるものの熱還流率
日本の住宅での参考例です。材質や工法、厚さ、断熱材の有無等によって数値は変わります
場所や部材 | 熱還流率 | 断熱性能 |
---|---|---|
屋根 | 0.02~0.3W/㎡・K | ★★★★★ |
天井 | 0.04~0.3W/㎡・K | ★★★★★ |
外壁 | 0.04~1.0W/㎡・K | ★★★★★ |
床 | 0.05~0.5W/㎡・K | ★★★★★ |
ちなみに、断熱性能の★の付け方ですが、個人的な見解で以下のように考えています。
熱還流率 | 星 | 断熱性能 |
---|---|---|
~1.00W/㎡・K | ★★★★★ | 高機能 |
1.01~2.5W/㎡・K | ★★★★☆ | そこそこ高い |
2.51~4.0W/㎡・K | ★★★☆☆ | 高い方である |
4.01~5.00W/㎡・K | ★★☆☆☆ | 少し低めである |
5.01W/㎡・K~ | ★☆☆☆☆ | 低い |
窓の熱還流率
それでは日本の一般的な窓はどれぐらいの値でしょうか?
窓の種類 | 熱還流率 | 断熱性能 |
---|---|---|
Low-Eトリプルガラス(Low-E三層ガラス) | 0.8~1.7W/㎡・K | ★★★★☆ |
Low-E複層ガラス | 1.9~3.5W/㎡・K | ★★★☆☆ |
複層ガラス | 2.9~4.1W/㎡・K | ★★☆☆☆ |
単板ガラス(フロートガラス) | 5.8~6.5W/㎡・K | ★☆☆☆☆ |
このように、よくある1枚でできた窓ガラス=単板(フロート)ガラスは熱がどんどん逃げていく窓なのです。
実は世界各国ではこの熱還流率に対し最低基準を以ってそれ以下にしようと取り組んでいるのです。
例
- フランス 2.6(住宅2.1)W/㎡・K(最低基準)※これより低い値が目標値
- イギリス 1.8W/㎡・K( 〃 )
- ドイツ 1.3W/㎡・K( 〃 )
- フィンランド 1.0W/㎡・K( 〃 )
※日本の窓は三層で1.0前後、一般的な単板だと6.5までという幅です
窓ガラスフィルムでの断熱効果は?
窓ガラスフィルムを施工する事で、この窓の断熱効果が上がるか?についてですが、正直な所、大幅に上がる事にはなりません。窓ガラスフィルムの施工で対策できるとすれば遮熱であるとお考え頂ければと思います。
断熱 = 熱を逃がさない機能(寒い時にほしい機能)
遮熱 = 熱を遮断する機能(暑い時にほしい機能)
とはいっても一部の窓ガラスフィルムで、
熱還流率 6W/㎡・K → 4.5前後(25%ダウン)
できる製品もございますので、この辺りは是非相談できればと思います。
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